株式会社緑景さんの「ランドスケープVR」ブログの中で、興味深い記事「パース、模型、VRの比較」がありました。それぞれの特徴を列挙されまとめられているのですが、気になったのが模型に見られる「リアルな立体感」が VRに欠けるという点。やはり、模型を経験している設計士はズバリ言うことが鋭い。

以前にも書いた記憶があるが、バーチャルリアリティーといえども投影された平面の中の世界。現状はね、出力装置が平面なんだから仕方がない。球面ディスプレイだって、立体ディスプレイだって、「平面」の域を出ない。現在のチープな技術では、本物の立体感(臨場感)は生まれないのです。この分野の高等な技術といえば、ブレインマシンインタフェース(BMI、BCI)。脳とコンピュータを直結して、視神経に映像を送る。アニメみたいだけど、現実味がない話ではありません。視神経の分野は結構進んでるというニュースも見るし。

とはいえ、現状ではディスプレイに頼るしかないわけで。脳でダイレクトに感じることができないなら、目で見たものから脳の中に「仮想空間」をイメージするしか、空間を体感する方法はないのです。所詮「仮想空間」とは、ヒトが脳に作り出したものなのです。で、何を見るのか、何を使うのが「仮想空間」をイメージしやすいかというと、やはり VRが一番バランスが良いわけです。

BCIとVR

ある手段から「仮想空間」を作るのに必要な経験値(能力)と、その「仮想空間」の再現性はどうなのかということに着目してみました。

「図面」という記号から「仮想空間」を作り出すには、それなりの訓練と経験が必要。しかも、空間が大きければ大きいほど大変。でも、その「仮想空間」がホントに正しいかどうかは怪しい。「模型」は形状を認識するという点においては強い。見たまんまだからね。ただ、模型の中から見た視点、すなわち「仮想空間」をイメージするには、模型の形状を座標変換し、脳内スクリーンに投影しなきゃならないわけで、それが正しいかどうか確かめる術がない、ということでは図面とさほど再現性は変わらない。ファイバースコープとかを使えばまた別だけど。「パース」はリアルで容易に限定的な「仮想空間」をイメージできる。「限定的な」というのは、空間を生み出すには、複数枚の「絵」を脳で繋ぐ作業が必要。それなりの空間把握能力がないと無理。「BCI」はまさに理想。で、「VR」はそこそこの再現性で、万人受けで一番バランスが良いと。

で、そのうちね、VRがプリレンダリングレベルで再現出来るようになって、で、「平面」の縛りから抜け出すために、BCIへと移行していくと。。。いうアイザワの妄想でした。最近、質の悪いディスプレイを見てるので、視力の低下や疲れが気になる。脳に直接映像を送れれば、そんな心配もしなくて良いし、何よりも解像度も関係なくなるね(多分)。