(図面の定義もアレコレありそうだが、とりあえず「CAD図面」として話を進めると、)言い切るが、図面は必要ない。イークラフトとは関係なく僕が思ってること。社長や社員がどう考えてるのかは知らない。でも、そもそもランドスケープデザインってどんな工程で設計してるんだろ? 民間業務はどうなんだろ? 他の会社はどうなんだろ? でも、ベーシックなところで図面を描くのだろうな。でもランドスケープじゃなくて造園と言い換えると、おっちゃん達がショベルカー持ってきて、その場でその感性でデザインしながら植栽するようなイメージもある。実際のところはどうか知らぬが。でも、一般的にはやはり図面だよな。そして、みんなCAD使ってるんでしょ? 今度、そういう統計とか取って貰いたいな。ランドスケープって小さな枠で、みんながどんなツールでデザインしてるのか。
造形を表さないランドスケープの図面
ともあれ、CADというツールが一般的だとして話を進めると。図面ほど無意味なモノはないとつくづく感じる。いや、始めはそれが普通だと思ってた。アイザワは幸いなことに図面がそこそこ読めたし、プロダクト上がりなので設計に図面を描くのは当たり前だと。でもやっぱね、図面が分からない人もたくさん居るわけで、少なくとも共通言語ではない。そう考えると、今までの当たり前が疑問に思えてきて。たとえば、植栽の図面。なんで、高木が○なのか、低木は雲模様なのか。。そんなカタチの樹木なんて無いじゃない? 造形を表さない記号の図面って、どうなのよ。樹木には高さもあるんだしカタチもいろんなのがあるし、葉っぱの付き加減も違うでしょ。そういうのも含めてのデザインだと思うけど、図面では表現してないよね、きっと。たとえば、縦横断図。道路設計だったらまだ意味が分かる、アレはどこに道路を通すかの線形を決めて、何車線にするかとかの横断を決めていく設計だから。でもランドスケープに縦も横も無いでしょ。なんで勝手に縦横決めて図面描かなくちゃいけないのか。そもそも大抵の人間は縦横断みて立体図を想像することなんてできない。だったら、始めから三次元設計で良くないですか? 平面図に等高線入れるのも同じ。分かりやすそうで分からない人にはもっと分からなくする意味不明な線。
図面を描くのが設計なのか?
そう考えると、何で図面っているんだろう。寸法を記入するため? でもそれでさえも疑問に思えてきて。何mっていうよりも、歩いて大体何歩とか、何分とか。何ヘクタールよりも、東京ドーム何個分とか。何?よりも、六畳一間何個分とか。そういった方が『体感』しやすいんじゃない? ということで、アイザワなりの結論は。まず、ランドスケープデザインに置いて、図面はデザインするためのツールとしての意味は無いということ。スケッチの方がデザインツールとしては最良であって、しかも設計の意図も伝えやすい。そして、もっと最適なのは三次元設計。それも線形で設計するのではなくて、ビジュアライゼイション系のCGツールによる、ボリューム感を使えることができるモデリング(SOLAみたいなVRとか、3dsmaxでそのまま設計するとか)。で、そういうデザインした後の成果品が図面なんでしょう、きっと。だから、図面は極力フロントエンドでなくて良い。
設計を伝えるために体感
設計を伝えるために最適な手段は? ランドスケープデザインにおいてもっとも重要なことは、設計を体感(想像)して貰うことで間違いない。プロダクトと違い、現物に近いモックアップに触れる事なんてできないし、マンションと違ってモデルルームを用意するなんてこともできない。でも、何らかの手段で設計を表現しなければならない。そして、クライアントにこんな設計になりますよと伝えなければならない。その時に、果たして図面がその最適な手段なのか? それは違う(ここはかなり確信)。前述したことだが、ランドスケープに限らず空間設計において、設計を表現するための最良の手段はそのデザイン、設計を体感して貰うことにある。そして、さすがに現物を作っては設計の意味がないので、仮想空間で体験、バーチャルリアリティー(VR)。もしくは似たような空間があればそれからイメージを膨らませること。VRにしても現実に迫る体験を提供できるわけではないので、最終的には人のイメージがモノを言うが、少なくとも現状では共通認識を作るため、デザインを体感するための最良の近道が VRではないかと思う。
『図面』にはどんな意味がありますか?
デザインするにはまったく意味のないツールだと思うし、僕たちが触れる部分でもないと思う。僕たちはいつの日か、コンピュータが作るバーチャルリアリティーの中で設計し、クライアントもVRの中その設計を体感、理解する。そこに図面はまったく必要ない。そして設計が終わり、施工用のコンピュータにデータが渡される際、そのデータは『図面』という目に見えない記号で送信されるのではないかと。SF映画みたいな未来を考えてみた。
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Comments
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みやがわ said June 13, 2006 09:15
アイザワさんの提言につよく惹かれました。
実際には図面(特に造園において)というのは、作るため、という意味よりも、数量=金額出しのためにある意味合いが強いと感じています。
そのため、よりよい空間・デザインを提供しようと考えるときにおいて、アイザワ氏が提言した内容のようなことが当然でていいと思います。
今回の提言が最良かどうかは各々の判断ですが、アイザワ氏のように顧客とよりよい空間のために多様なアプローチのとれる発想と問いかけするスタンスを持ち続けることはとても大切に思います。
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アイザワ said June 13, 2006 21:27
おひさしぶりです、みやがわさん。
そういえば、図面とはそういう面もありますね。最近は設計とはちょっと距離を置いているので忘れていました。アルバイトだったころ、低木の面積をなんかの器具で図ってたのを思い出します。
器具にしてもソフトウェアにしてもツールを一切使わずに設計が実現するのが、僕が目指す最良の未来です。人の脳が無線LANで繋がり脳内会話ができるようになるというのもひとつの手段だし、SF映画のホログラムデッキ内で仮想設計するのもまたひとつ。
遠い未来の話でありますが、いまある技術で理想に近づけるのか。そしてその技術を提案していくのが僕の使命ではないかと。。。。。
「技術」に関しては、ランドスケープ業界は他の設計分野に比べると、疎いですからね。
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Abercrombie France said November 07, 2012 12:33
Ceci est juste l'information que je recherche everywhere.Me et mon ami se disputaient au sujet d'une question semblable à cela! Maintenant, je sais que j'étais right.Thanks pour les informations que vous postez. Je viens de souscrire votre blog. Ceci est un blog sympa.