純国産ソフトで多くのホビーユーザ、建築系ユーザが愛用する 3DCGソフトウェア「Shade」。アイザワも 2年前までShadeユーザーであった。当時、イークラフトのリアルタイム3Dツール「SOLA」(W3Dファイル形式)との相性はそんなに良くなかった。というのも、ShadeはWindows版のみにしか Shockwave3Dエクスポーターがなく、さらに書き出し品質がそこまで良くない。Shade自身は優れたツールなのにもったいない。自由曲面からポリゴンへの変換が不十分であったり、テクスチャが消えたりなどなど。W3D形式に関わらず、Shadeは独特なためかデータコンバートにはいつも不満が残った。
しかし、ここ最近Shadeもバージョンアップし、ポリゴンモデリングもサポートするなど標準化されてきている。但し、Shadeに付属しているエクスポーターは未だお粗末なままだ。しかし、データコンバートに適したツールも登場し「SOLA」で使用できるShockwave(W3D)形式を充分な品質で書き出せる状況になってきた。フリープラグイン、シェアウェアを利用し低価格でW3Dファイルを作成し SOLAでリアルタイムウォークスルーを実現する、現時点で最良な方だと思われる手順を紹介する。右図が書き出すShadeファイルで、ShadeはバージョンはR5のまま。
リンク先は標準のエクスポーターでどのようにW3D(Shockwave3D)フォーマットが書き出せるのかの表。最新の Shade 7.5のエクスポーターに関する記述は捜すことが出来なかったので、Shade 6当時の情報。おそらく、アイザワが使っていた Shade R5の時からエクスポーター自体はなんの変更もないと思われる。2世代もほったらかしとは残念、今後は有志のプラグイン作者に期待するしかないかな。で、その書き出し性能だが、ちょっと期待を裏切る。 上手く書き出すためにはモデリング・マッピング共に苦労することとなる。で、このエクスポーターでそのまま書き出すとコレ。一応テクスチャも書き出せるし良さそうなんだけど、ブーリアン演算などはサポートされてないので実は使えない。ブーリアンを使用している場合はポリゴンメッシュに変換するわけだが、すると今度はテクスチャが正確に反映されなくなる。ということで、自由曲面のみのファイルを書き出すときは面の裏表に気を付ければある程度書き出せるが、ブーリアン使用時には標準のエクスポーターでは対応できない(、、と思われるがどうでしょうか)。あと、自由曲面モデリングでよくあるのが、面が重なってしまうこと。こんなことになってしまうので、気を付けたモデリングが必要だと思われる。以下、標準エクスポーターを使用する際の注意事項。
- 自由曲面の素材は割と上手く書き出せる。
- ポリゴンメッシュにテクスチャがついてると上手く書き出せない。
- 面の表裏に気を付ける。
- ブーリアンは反映されない。
- キレイに表示させるためには面の重なりに気を付ける。
より高品質に書き出すためには、別のエクスポーターを使用する。テクスチャを張ってあるポリゴンメッシュを使用する場合は必須。Shockwaveエクスポーターはシェアウェア(\1,155)の「Cyberdelia」を使用する。Shadeからは書き出せないアニメーションなども設定できる優れたツール。書き出し性能も高価なソフトウェアに負けていない。「Cyberdelia」への中間ファイル形式は、MQO形式(メタセコイア)。塩肉亭さんのエクスポーター(フリーウェア)でキレイに変換可能。この2点を使い、標準エクスポーター以上の品質でW3D形式のファイルを作成する。ちなみにどちらもWindows用なので、Mac環境のみではW3Dファイルは作成できない。その場合、MayaやLightWaveなどの高価なソフトウェアを導入するしかない。でも Windows機 + Shade(Win版)の方が安上がりかな。もし、シェアウェア版(\5,000)のメタセコイアを持っているなら、「メタセコイア」 + 「メタセコイア用shockwave3Dエクスポーター(フリーウェア)」も有りかも。
まずはポリゴンメッシュで、メタセコイア形式に書き出す
MQO形式(メタセコイア)エクスポーターはキレイにコンバートできる。しかし、幾つか注意点が。アイザワが使用したのは古いR5用なので現行のバージョンでは関係ない部分があるかもしれないが。。。まず、全ての自由曲面をポリゴンメッシュに変換。書き出し時にエクスポーターがポリゴンに変換してくれるが、ブーリアンなどは自分でポリゴンに変換していった方が手間は掛かるが安心。次に法線の向きを確認。ポリゴンには表裏があるので、ビューポートを片面表示させ反転したり裏面用にコピーしたりの作業を行う。次に素材の確認。全ての素材をマスターにし、テクスチャは拡散反射光のみにする。(W3D形式ではバンプなど使用できないため) 以上で、メニュー > エクスポートでメタセコイア形式を選択し書き出し。拡張子がmqoのファイルとテクスチャのビットマップが書き出されるはず。
- ポリゴンメッシュに変換
- 面の裏表の修正
- 素材の修正
- メタセコイア形式を選択し書き出し
CyberdeliaでW3D形式に書き出し
Cyberdeliaでファイルを開く前にひとつ作業。先ほど書き出されたビットマップファイルは「Cyberdelia > Texture」のフォルダに入れ込む。なぜかアイザワの環境ではこうしないと、ファイルを読み込んだときにテクスチャが表示されなかった。で、普通にメニュー > 開く から先ほど書き出したファイルを選択。正常に表示されただろうか。ここで表示されたそのままがW3D形式で書き出される。メニュー > 名前を付けて保存 でダイアログが表示されるがデフォルトのまま書き出して構わない。W3Dファイル以外に付属品が書き出されるがそれらのファイルは必要ない。
- ビットマップファイルの移動
- Shockwave3D 形式の書き出し
SOLAでW3D形式を読み込み
「SOLA」はこちらでダウンロードできる。メニュー > 3Dファイル読み込み で作成したW3Dファイルを選択。ダイアログが表示されるが、Cyberdeliaで書き出されたファイルを読み込む場合は座標変換 rotate(0,0,0) に変更する。以上でShadeからリアルタイムコンテンツを作成できる。この程度のモデリングなら、Webサイトに貼り付けできるW3D Viewerも簡単でお奨め。
- 3Dファイル読み込み
- 座標変換 rotate(0,0,0) に変更